はじめに
以下のようにこれまでOGK KABUTO KAMUI-IIを使っていましたが、3年も経たずに内装がヘタれてしまいました。やっぱヘルメットはAraiかSHOEIじゃないとダメだ、うん。

そんなわけで「GT-Air IIが欲しいです」と言ったので、GT-Air IIを買いました。
買ってから4千kmくらい走りましたので、レビューを残しておきます。
GT-AirとGT-Air IIの違い
併売と言いながら結構割り引かれてる、初代GT-Airと迷う人も多いかと思います。
というわけで比較してみましょう。
機能表
SHOEIのWebを見て比較表を作ってみます。
機能 | GT-Air II | GT-Air |
---|---|---|
サイトレーションシステム | ○ | ○ |
QR-N | ○ | ○ |
サンバイザー | ○ | ○ |
内装フル脱着 | ○ | ○ |
イヤーパッド | ○ | ○ |
3DフルサポートインナーIV | ○ | ○ |
E.Q.R.S. | ○ | ○ |
マイクロラチェット | ○ | ○ |
軽量モデル | × | ○ |
エアロフォルム | ○ | ○ |
AIM+ | ○ | ○ |
吸水速乾繊維 | ○ | ○ |
微開ポジション | ○ | × |
エアタイトシーリング | ○ | × |
サンバイザーロック | ○ | × |
SRL取り付け機構 | ○ | × |
GT-Air IIになって「軽量モデル」が外れたのは、先代と比較して50〜80gほど重くなったからだと思われます(仕様ページ参照)。被れば大差ないとは思いますが。
リア充にとってうれしいのは、GT-Air IIではSena SRLインカムに対応しているところでしょうか。使ったことないし一生使うことないから知らんけど。
その他、ピンロックシート標準付属やマイクロラチェットも先代と変わりません。
機能表には現れない改善点
ただGT-Air IIはモデルチェンジですので、機能表には現れない改善点があります
サンバイザーの面積拡大
サンバイザーが5mmほど下に長くなり、面積が大きくなりました。
バイクによってはタンク上にメッキパーツがあったりしますが、これが太陽光を反射してサンバイザーの隙間から入ってくるんですよね。
KAMUI-IIでは結構悩ませられたのですが、GT-Air IIではそういった光が入ってくることがなくなりました。ただ若干の隙間がありますので、頭の形による角度の違いで個人差があるかもしれません。
チンストラップの位置変更
余所のサイトからの情報ですが、チンストラップの位置が変更になり、違和感が軽減されたそうです。公式とかに情報がないので本当か分かりませんが…
買い方
SHOEIの販売ポリシー変更により、正規取扱店のみでの販売となったようです。というわけでWeb通販はWebike以外ほぼ壊滅状態です。素直にショップで買いましょう。
こういうの、Araiが先にやると思ってたんですけどね…
KAMUI-IIのときも書きましたが、リアル店舗でフィッティングしてWeb通販で買う人間があまりに多かったのもあるのでしょうか。
TECHNICAL SHOP認定店であれば頭の寸法を計測してくれる「SHOEI Personal Fitting System」なるサービスもありますので、こだわりたければそちらを使うのもいいでしょう。

GT-Air IIは近場の量販店(TECHNICAL SHOPではない)で購入しました。SHOEIはパッド交換が無料だそうで、今回は若干きつめだったチークパッドを変更しましたが、「気分によって変えてください」と変更前のパッドも箱に詰めてくれました。ありがたいサービスです。
しかしこうなるとWeb通販のメリットなんて何もないですよね。ヘルメットはショップで買いましょう。
レビュー
一言で申し上げますと大満足です。
デザイン
イマドキのヘルメットらしい、空力を意識したかのような流れる形状です。
ただやっぱりこの手のヘルメット、デカいんですよね…重さはさほど気にならないのですが。
カラーは単色の白にしました。グラフィックモデルは値段が上がりますし、傷が付いた頃に自分でステッカーやカッティングシートを貼ればいいと思ったので…痛車のベースカラー選定みたいな発想ですが。
ただ買った後に思ったのですが、この形状のヘルメットだと単色の白はあまりに素っ気なさすぎます。マット系であれば色そのものがデザインになるのでいいんですが。やっぱ単色の白が似合うのはAraiだけですね。
内装
SHOEIだとAraiと比較してもキツく感じる傾向があり、これまでSHOEIを選ばなかった理由だったりします。
ただしばらく被るとうまい具合に馴染んできますし、ユルいよりキツめのほうが頭との一体感が増して疲労感が減ります。特に恩恵が得られるのは、車線変更の目視確認で首を振るときですね…
風切り音
全体的にはまあこんなもんかな…
音はうまくコントロールされており、高速での耳栓は不要だと思います。
インナーサンバイザー
操作スイッチが軽いのがとてもいいです。KAMUI-IIは重すぎてグローブがすり減りそうでしたので(不評だったのかKAMUI-IIIは軽くなってました)。
スモークは結構明るいです。KAMUI-IIは暗めだったのですが、ツーリングでは風景を楽しみたいのにスモークでスポイルされてしまうのが悩ましいところでした。なのでGT-Air IIの明るさはツーリングモデルとしては適切だと思います。
またトンネルでも案外見えます。高速の明るいトンネルであれば降ろしっぱなしでも普通に走れるくらいです。なのでトンネルの手前で上げ忘れて慌てる心配がありません。
サンバイザーとしての効果は優秀だと思います。夕日に向かって走っても大丈夫なレベルです。
ベンチレーション
けっこう効きますね…
頭上は涼しくないと入ってくる風を感じられないのは仕方ないですが。
口元のダクトは開けっぱなしで高速を走るとうるさいので、使い分けが必要かと。
GT-Air IIで気に入ってるのはベンチレーションそのものではなく、操作のUIまわりです。
グローブをはめていても操作しやすい大きさですし、操作方法も風を入れる場合は口元は下、頭上は後方(風が流れる方向)に動かします。直感的です。「あれ?どっちに動かせば風が入ってくるんだっけ…」と走りながら戸惑うことはありません。
シールド
個人的にはシールドが残念なところです。
カチカチと動くラッチ式で、しかも開閉が重すぎます。信号待ちや走行中にシールドを上げたいときにものすごく難儀します。
もっとも開閉が軽いと、高速で首を振ったときに風圧でシールドが開きますので、それよりマシと思うしかないのかなと。
嬉しいのはピンロックシートが標準付属なところです。歪みはあまり感じません(おそらく個人差があります)。取り付けは販売店で買ったついでにお願いしちゃいましょう。
GT-Air IIでは微開ポジションが装備されました。曇ったときに使うらしいですが、ピンロックシート付ければ不要なんですよね。「歪みが気になるからピンロックシートは付けない」派の人には役立つと思います。
総評
ヘルメットの慣らしということで、まず最初に首都高速の大黒PAまで往復したときの感想です。
「このヘルメット、いつまでも、どこまでも走れる…」
その日は大黒PAを過ぎて、そのまま走り続けるか迷ったくらいです。
それくらい、GT-Air IIはツーリングヘルメットとして優秀です。
購入して2ヶ月、週末ツーリングでかれこれ4千kmほど走りましたが、長時間走ったときの疲労感もずいぶん減ったように思いますし、おかげで一日の走行距離も伸びています。一日で700km以上を走れたこともありました。言うなれば
距離ガバヘルメット
という表現が相応しいと思います。
よく「ネットではオイルとヘルメットとONE PIECEの話をするな」と言いますが、ヘルメットについてはAraiよりSHOEIのほうが快適性は上だと思います。快適性だって安全性能の一部ですよね。スネルスネル言ってる場合じゃないと思います。
またOGK KABUTOもコストパフォーマンスの良さから人気ですが、内装が弱くて3年も持たないため、結局は「AraiかSHOEIを買っておいたほうが長持ちするからコスパがいい」という話になってしまいます。Araiなんて廉価版のHRシリーズを用意してくれてますしね。
最近は海外製も流入しており選択肢がずいぶん増えたヘルメットですが、ロングツーリング主体であればGT-Air IIを第一候補に挙げていいんじゃないかなと思います。