5年くらい前から、春先の激しい倦怠感に悩まされるようになりました。世の中では春バテと言われてるらしいです。
夏バテと同じく自律神経がどうだのの話なのでしょうが、こういうわけが分からない症状は漢方薬に頼るのがベターです。そこで毎年、近所の内科で補中益気湯(ツムラの41番)とかもらって飲んでましたが、効いてるのか効いてないのか分からないままいつの間にかツラさから脱出してる状況でした。
そして気が付けば2018年の5月に突入。
首都圏は最高気温28度付近、最低気温は20度を切って17度前後。寒暖差が激しすぎます。
そして例年以上の倦怠感。ついに会社を早退するハメに。
というわけで前から気になっていた、漢方薬局に頼ることにしました。
結果ですか?さすが、高いだけの効果はありますね…マジで効いてます。
もしかすると夏バテにもいいかもしれませんね。
※注意
本エントリを参考にした結果等につきまして、一切の責任を負いかねます。自己責任でお願いします。
漢方薬と漢方薬局
様々な生薬をブレンドして作られるのが漢方薬です。
ピンポイントに効く西洋医学の薬と異なるのは、漢方薬は身体全体のバランスを整えるところです。なので「原因がよく分からない」という西洋医学が苦手とする症状を得意とすると言われているのは、そういうことなのでしょう。
漢方というと中国のものだと思いがちですが、実は日本のものです。
大陸方面から5~6世紀あたりに伝来し日本人がアレンジして発展したそうです。日本人は魔改造が大好きなのは昔からなんですね。だから漢方はカレーみたいなもんです。
そんな伝統に則り、一人一人の症状を聞いて店で様々な生薬を調合した漢方薬を売っているのが、漢方薬局になります。
漢方薬局といえば、鹿児島県民であれば「川島葉留美の漢方相談」という文言にピンとくると思います。そういう鹿児島の名物ローカル番組が放映されており店舗が谷山にあるわけですが、いま置いてきぼりを食らっている鹿児島県外な皆様は「漢方界のHELLO JAGUAR」と覚えておくとよいでしょう。
※川島葉留美先生がKKBの番組枠を買い取っているかは不明です。
処方薬や市販薬との違い
とはいえ漢方薬は医師から処方して貰うことも可能です。「ツムラの何番」みたいな感じで処方されることもある、エキス剤と呼ばれるものです。こういうの。

また市中のドラッグストアでも販売されていたりします。
「煎じる必要がなくすぐに飲める」「病院に行けば健康保険が使えて安上がり」といったメリットはありますが、しかし品質的には(ドリップコーヒーに対する)インスタントコーヒーと言う人もいます。飲んでみると「ああなるほど…」と思うわけですが。
漢方薬のお値段
健康保険が使えないのでクッソ高いです。
症状を見てキチンとした生薬をその場でブレンドして作るわけですから、まあインスタントコーヒーより高くなるのは仕方がない話です。
具体的にはおおよそ「14日分で8千円~1万円程度」になることが多いようです。レアな生薬を使われるとさらに跳ね上がります。
1日8.5千円で計算してみると、1日分で約600円。1日3回服用ですから、ワンショット200円となります。こうしてみると実は西洋医学の薬価とさほど変わらないのですが、やはり健康保険が適用されないのはツラいです。
漢方薬局に行こう
Googleで「地元の名称 漢方」でググるとよいでしょう。
というわけで行ってきたのはウサミン星こと津田沼駅近くの老舗、久能平安堂さんです。
1階が漢方薬局、2階~が系列の病院(内科等)という風変わりな構成です。
早速入店すると、生薬のそれっぽい香りが漂ってきます。
まずはアンケートを書かされます。内容は病院や調剤薬局でよく聞かれるものと、予算。
お高いものですので、予算感を事前に知らせることができるのは安心です。ここでは最も安い選択肢「5千円~1万円(14日間分)」に丸印を付けます。
しばらくすると個室に呼ばれて問診されます。医療行為ができないため触診の類いはなく、問診と舌の色で判断されます。
問診の内容は多岐に渡り、主訴から肩のこり、胃腸の状態や排便状況、風呂orシャワーまで。女性でしたら月経の状況も聞かれるでしょう。
これはピンポイントで直そうとする西洋医学と異なり、東洋医学では身体のバランスを整えトータルで直そうとするためで、多岐に渡る情報を結びつけて最適な漢方薬を探すわけです。漢方薬剤師の腕が問われるところでもあります。
そしてその場で処方する漢方の名前とおおよその価格が知らされます。今回は「柴朴湯(14日分で8千円弱」とのこと。
そしてしばらく待つと漢方薬が出てきてお会計。8,520円でした。達筆ですね。
煎じて飲む
エキス剤であれば普通の粉薬ですが、この手の漢方薬は煎じて飲むことになります。
もちろん煎じ方は教えてもらえますし、マニュアルももらえます。
要はこれに水を入れて煮れば完成というわけです。
具体的な手順はこんな感じ
- 漢方薬と水450ccを鍋に入れて沸騰させる
- 沸騰したら火加減を調整する。生薬が対流でゆっくりクルクル程度に
- そのまま5分ほど煮る
- 火を止めて金属製の濾し器を使って別の容器に濾し取る。さっさとやらないと漢方薬が水分を吸ってしまうので、火を止めたらすぐに行う。
5分煮るとこのような感じになります。
漢方薬は昼間も飲まなければなりませんので300mlほど断熱水筒に入れて持ち歩き、残りは朝のお茶代わりにその場で飲んでいます。
漢方薬というと奇天烈な味を想像するかと思いますが、紫朴湯はそれなりにマトモな味だと思います。「どこかの山奥の村で日常的に飲まれているお茶」と言われたら信じられるくらいです。あまり美味くはないですけど…
柴朴湯の効果は…?
初日に3回飲んで特に効果はありませんでしたが、翌朝起きてビックリです。
身体が軽い…
「まあプラセボだろ。ボクは騙されないぞ」と思いながら翌日も飲みましたが、飲む前のような地獄の春バテ倦怠感が本当になくなりました。
「月曜日になったら社畜ストレスでまた倦怠感が出るだろう」と思いましたが、そんなことなく身体が軽いまま月曜日を迎えてしまいました。
漢方薬の効果が出るのは飲み始めて数週間と思い込んでおり、薬剤師から「すぐに効果が出ますよ」と言われてあまり信じていませんでしたが、翌日に効果が出るとは驚きでした。
本当にありがとう久能平安堂さん!
ツムラの96番と比べてみたいけど…
まとめ
これまでは内科で貰った補中益気湯など微妙と言いながら飲んでましたが、まあ内科の医師も漢方に詳しいわけではないですから、仕方ないのかもしれません。そもそもツムラ謹製の漢方薬リストを見せられて「どれがいい?」と医師から投げられるくらいですから。
そんな経緯もありますので、漢方のプロに選定してもらってビシッとキマると「さすが8.5千円の価値はあるなあ」と思います。
感覚的には2週間分あれば乗り越えられそうですので、また来年もお世話になりたいと思います。
ただ長丁場になるとツラいでしょう。14日で8.5千円、長期間必要となると倍々になっていきます。やはりこれはなかなか金銭的に厳しい話です。西洋医学の薬と同じくらいの価格ですが、健康保険がきかないのがツラい。
治療の一環であることが証明できれば医療費控除の対象になるようですが、生薬だから健康に良いと誤解してサプリや健康食品の代わりにダラダラと飲んでいたり、悪徳な漢方薬局からのオススメを次々と買っていると、破産しかねません。
その辺の節度を持ちながら頼るのが、必要なのかもしれません。