まあぶっちゃけ、苦行なんですけどね…
というわけで。
「りんちゃんカラーのビーノの在庫がなくなった!」
なんて驚くべき話がTwitter上を駆け巡りました。コイツですかね。
たぶんゆるキャン△は全く関係なくて「新生活シーズン前だから」というのが実際のところでしょうが、「りんちゃんみたいに原付でキャンプツーリングやってみたい!免許持ってないけど!」という潜在オタク層はかなりいるんじゃないかと思ってます。適当に言ってますけど。
というわけで、そんなオタクが免許を取得してビーノを入手するための入口を書いてみようかと思います。
はじめに書いておきますが、ここは既に2017年モデルのりんちゃんビーノを買ってキャンプツーリングを楽しんでいるような、バイク慣れしたハードコアオタクを対象にしていません。あくまでこれから原付免許を取るバイク初心者なハードコアオタク向けです。空気を読んで頂けると幸いです。
※追記
排気量10倍のバイクでキャンプツーリングに行ってきたので、初心者向けのエントリを書きました。

※追記
スーパーカブ(アニメ)放映記念で、スーパーカブ購入ガイドを書きました。あわせてこちらもよろしくお願いします。

何はともあれ免許から
何の運転免許も持ってないという人は、ここからです。
原付免許は「筆記試験+技能講習」で取得できます。技能講習は試験ではないので、受講するだけでOK。突破しなければならないのは実質、筆記試験のみです。
いやまあ技能講習では「コイツ公道出したらダメでしょ」ってヤツが必ず1人はいますけどね…法律の限界だよなあ…
筆記試験はYes/Noの2択で、50問中45問正解で合格。道路交通法どうこうより国語力と論理力を問われる試験です。そんなわけで合格率は5割ちょいだそうで…とはいえ現代の公道とTwitter峠を見て分かる通り、日本語が理解できなくても合格できます。
細かいところは必勝サイトを見てもらえばいいので割愛します…
近年よく「今の若者は金も時間もないから免許なんか取れない」なんて話が出てくるわけですが、原付免許は筆記試験と技能講習が1日で終わり、費用も適当な問題集と申請用の証明写真1枚、プラス以下のような感じです(東京都)。
金額 | |
受験料 | 1,500円 |
技能講習 | 4,200円 |
交付料 | 2,050円 |
合計 | 7,750円 |
あとは平日1日の休みを確保すればOKですね…
なおモチベーションを上げるために、免許を取る前に車両を探して契約しておくのが基本です。
ビーノについて知る
ビーノとは
ヤマハが販売している原付スクーターです。デビューは1997年。
この手の国産レトロ風スクーターは既にホンダのジョルノがいたのですが、ヤマハはCMに当時大人気だったPUFFYを引っさげてビーノを登場させました。普段はホンダが他社をパクるのにね…
そんなビーノですが、さすがヤマハといえるデザインと手抜きのなさで大人気車種となります。その後、環境対策で4ストロークに変更されたりしながら、今でも販売され続けているご長寿モデルです。
りんちゃんが乗ってるビーノはどれなの?
存在しません。
…で終わらせてしまうとこのエントリの存在意義がなくなってしまうので、もうちょい説明します。
りんちゃんのビーノですが、アニメ版から分かることは以下になります。
スタイル | 2017年モデルに近い |
エンジン | 2ストローク |
もう一度掲載しますがこれが2017年モデル。ヘッドライトのメッキ以外はまさにりんちゃんのビーノっぽいですね。かわいい。
ただアニメを見ますと、音はあからさまに2ストロークエンジンです。2ストロークとは後で触れますが「パワーは出るけど環境に悪い太古のエンジン」と理解しておけばいいです。ちなみにビーノの2ストロークは2003年モデルまででした。
では逆に太古の2ストロークでりんちゃんのビーノに近いのはないの?となると、これが候補に挙げられます。
1998年式の限定バージョンで、20年落ちとなります。わかりやすい違いはウインカーの位置でしょうか。こちらもかわいい。ビーノの魅力は昔も今も変わらないし、りんちゃんがこちらに乗ってても何の違和感もないですよね。ザックリ見たところ、高いけど中古のタマ的にはなんとかなりそうです。
というわけで「りんちゃんと似たようなビーノが欲しい!」となると
・2017年モデル
・1998年限定ハローキティバージョン
となります。
まあでもぶっちゃけた話、完全クローンなりんちゃんビーノは世の中に存在しないわけですし、実際に自分で色々な車体を見回って「これだ!」と思った車両を買ってキャンプツーリングやるのが最も楽しいと思いますよ…満足できなければ自分で色を塗り替えれば解決できますし。
年代によって違うビーノ
「二次元嫁と畳とバイクは新しい方がいいので買うなら新車!」というのはあるでしょうが、予算的に中古車に限られてしまう場合も多いです。
そして前述したように、ビーノのエンジンは4ストロークと2ストロークがあり、りんちゃんのビーノは「ガワは現行だが音が2ストローク」と面倒なことになっています。ただこれは意図的にそうなったのではないかと。
望まなかった車両を掴まないために、勉強しておきましょう。
4ストロークと2ストロークとは?
エンジンの種類です。
こちらを読んでもらった方が早いですかね。

とはいえいきなりこれを読んで理解するのも難しい気はしますので、ここでは以下のように理解しておけばいいです。
- 4ストローク: 現代の主流。構造が複雑で重いけど、扱いやすく環境に優しい
- 2ストローク: 構造が単純で軽く、4ストロークよりパワーが出るけど、環境に悪すぎる
構造が単純がゆえにコストもかからずパワーが出る2ストロークは、排気量が50cc未満と小さい原付にはもってこいだったのですが、環境に悪すぎるため、時代がその存在を許容できなくなってしまいました。
ビーノも最初は2ストロークでしたが、そういう事情があり途中で4ストロークに変更されています。まとめますと以下のような感じです。
- 1997年~2003年モデル: 2ストローク
- 2004年以降のモデル: 4ストローク
りんちゃんのビーノはなぜ2ストロークなの?
「何も考えずに音源を選んだから」というオチであるなら楽なのですが、恐らくそうではないでしょう。敢えて2ストロークの音を採用したんじゃないかと。
というのも
非力な4ストロークの原付スクーターにガチのキャンプ用具を積載して峠道を上ったり、舗装されてないキャンプ場までのけもの道を走れるか?
なんて現実的な問題があるからです。
ぶっちゃけた話、4ストロークの原付スクーターではパワー的に無理でしょう。
周囲で4ストロークのビーノを代車で乗った人も「平地も厳しいし、これで峠は絶対に無理」と言います。
これが2ストロークであればパワー的にかなりマシになります。上り坂で大失速したり後続車に気を遣う場面が減り、より安全に走れるでしょう。
その辺の事情を知っている人間がアニメスタッフの中にいて、りんちゃんのビーノは2ストロークの音を出すようにしたのではないか、という気がしています。
そうだ、ビーノ、買おう
※道の駅やちよの対面にあるバイク屋です。スクーターなら乗り出し4万からですって。
4ストローク vs 2ストローク
同じバイク乗りでも意見が分かれるという予防線を張っておきますが、峠道が避けられない以上、どうしてもビーノでキャンプツーリングいうのであれば2ストロークのほうがいいと考えます。やはり、安全のためには相応のパワーが必要なのです。
年式的にも割と古いですが、我々の基準では旧車ではありません。普通に乗って普通に整備すればまだまだいける年式でもあります。我が家のDio(AF34)も現役ですね…。
ちなみに原付スクーターを買うとメインの用途はツーリングでなくゲタ(近所の買い物など)になります。そうなると定期的にオイル交換が必要な4ストロークでなく、オイルが減れば継ぎ足せばよいだけの2ストロークはとても楽です。
あと4ストロークのビーノ、近代スクーターでありがちですが電装系が弱いという話も聞くんですよね。山の中で電装系が飛んだことを考えるとゾッとします。
とはいえ2ストロークがべた褒めできるわけもなく、扱いにくいとか排ガスがクサいとか小僧っぽいとか難点を挙げるとキリがないのですが、ツーリング目的でかなり致命的なのが「旅情が皆無」というところです。のんびりトコトコ走るならやっぱり4ストロークですね…
ご予算は?
乗り出し価格(本体+整備費+登録料+自賠責保険)以外にも、色々とお金がかかります。考慮しておきましょう。
任意保険 | 必ず契約。無事故が続けば安くなる。分割可 |
ヘルメット | AraiとかSHOEIとかOGK KABUTOとかきちんとしたものを。 ホームセンターの格安品はダメ |
装備品 | 原付なので割と適当でいいけど、グローブ+長袖長ズボンは必須 |
あとローンで買う場合ですが、個人的には金利6%以上のバイク屋は避けますね…一番いいのは銀行で借りることです。
どこで買うか
普通の人はバイク屋で買うと思います。まあボクらは原付だったら個人売買とか
こういう店で入手しますけどね。ヘイ現状渡し!
新車ならヤマハとかYSPの看板をぶら下げているバイク屋に行って「ビーノください」と言えばOKです。印鑑と住民票を忘れずに。
中古の場合は、いまどきだと検索サイトで探すことになります。例えばGooBikeやWebikeでしょうか。なるべく近所のところを選びましょう。壊れても押して歩ける範囲のところ。


中古車の質もですが、バイク屋の質もかなりピンキリですので、心配ならバイクに詳しい人を連れて行ったほうがいいと思います。
まとめ
冒頭でも書きましたが、原付スクーターでキャンプツーリングなんて苦行以外の何者でもないです。一度やって癖になるのはかなりのレアケースではないかと思います。
往路があれば復路もあるのです。峠道でクルマに煽られながらやっと到着したキャンプ場、一息ついて作ったアウトドア料理で失敗して泣きそうになっても、ツーリングはまだ折り返し地点なのです。初心者がいきなり本格的なことをやると、トラウマになりかねません。
まずは免許を取ってビーノを買い、徐々に距離を伸ばして慣れるところからスタートし、菓子パン持参のバンガローデビューを目標にしてはいかがでしょう。