前回の続き!

というわけで書類も揃えて整備も終わったら車検当日です。一日の流れを追ってみましょう。
初めての人は試験場の見学をしておいたほうがいいので、朝イチで動き始めるのがいいでしょう。
※追記(2018/10/15)
本エントリを書いた2年後にまた車検を受けました。2018年に変わった試験官による検査、マフラーの音量測定、その他色々と情報を追加しましたので、本エントリを読んだ後にこちらも読んで頂けると助かります。

当日の持ち物
忘れものがないようにしましょう。必要なのは以下になります。
・現在手持ちの車検証
・自賠責保険証書(2年後以降まで有効なもの。日付が連続していれば2枚の証書でOK)
・軽自動車税の納税証明書
・印鑑
・(出す人は)点検整備記録簿
仮ナンバーを借りる(車検が切れている人)
前々回に「車検が切れている車両は公道を走れないので、市町村役場や支所で仮ナンバーを借りる」という話を書きました。
「借り方はWebで調べろ」と書きましたので準備していると思います。必要な書類や印鑑等を持って役場に行きましょう。
提出書類にルートを書く必要がありますが「自宅〜受験する事務所」でOKです。
これは随分昔にGPZ900Rに仮ナンバーを付けたときの画像ですね…たぶん市川市。
さて問題は仮ナンバーのサイズです。市町村や支所によってバイク用の仮ナンバーがあるところと無いところがあります。無いところは四輪用の大きな仮ナンバーを渡されます。固定方法は…バイクとにらめっこして考えるしかありません。
テスター屋に行く
車検を受ける陸運支局の近所にあるテスター屋に行き、光軸調整してもらいます。「バイクの光軸お願いします」で話が通じます。1,000〜1,500円がだいたいの相場です。
あとはテスター屋のおっちゃんの指示に従ってバイクを動かし、ハイビームにして突っ立ているだけ。大抵の場合は光軸がズレているので、測定器を見ながら調整してもらいます。
が。
世の中には人気車から珍車まで多くの種類のバイクがあり、光軸調整の方法もバイクによって異なります。そんな多種多様なバイクの光軸調整方法をテスター屋のおっちゃんが全部把握できるわけがありません。
ですのでテスター屋のおっちゃんに、水平方向と垂直方向の調整方法を教えてあげる必要があります。前回「自分のバイクの光軸調整方法は事前に必ず確認」と書いたのはそのためです。
さて。テスター屋の光軸調整で重要なのは「ハンドルなどにかける荷重を極力少なくし、その具合を身体で覚えておくこと」です。何故かというとバイクの場合、この荷重によるFフォークなど浮き沈みで光軸が簡単にズレます。
旧車珍車の場合は光量を上げるためにスロットルを若干煽る必要がありますが、このときもできるだけ荷重はかからないように動かしてあげましょう。
陸運支局へ
光軸調整が終わったら車検本番。陸運支局に向かいます。
習志野ではこんな看板があります。どういう順番で受付を回ればいいか書いてあります。「自動二輪車」の「ナンバーの変わらない手続き」の順番に進みます。
が。
この看板には罠があって「申請書類作成後」とあります。申請書類はC棟のナンバーセンター(場所によって名称が違うかもしれません)で購入する必要がありますので、まず最初にそちらに向かいます。
書類と印紙を購入
中に入ると書類を買う窓口がありますので「二輪の継続セットください」と言えば必要な書類を売ってくれます。20円。
次に重量税や検査代の印紙を買う必要がありますので、隣の隣くらいにある印紙窓口で購入します。車検証を出して「二輪の継続の印紙ください」と言えば、検査代と年式に応じた重量税の印紙を出してくれます。まあこのブログ見てる人は間違いなく最高額の5,000円でしょうけど。ボクらは高額納税者!
さて陸事によっては書類に印紙を貼ってくれたりしますが、貼ってくれないところもありますので、その場合は自分で貼りましょう。ピンクの方には重量税、検査用紙(ゴチャゴチャ書かれたペラペラなほうの白い紙)に1,700円の印紙を貼りますor貼ってもらいます。
書類記入
大抵はこんな感じで、ユーザ車検向けの書き方案内がありますので見ながら書きましょう。
気をつけるのはOCR用紙(光学読み取りする厚い用紙)には鉛筆、それ以外はボールペンで記入するところ。
書き終わったら記入した書類、自賠責保険証書、軽自動車税の納税証明書をクリップでとめて、窓口に提出します。
初めての人の前準備
最近はこういうビデオが流れているので、初めての人は見ておくとよいでしょう。
そしてモニターの横に看板が立ってますが、初めての人は必ずコースを事前に見学しましょう。検査官に「初めてなので見学させて下さい」と言えば快く見学させてくれるはずです。
では誰かがバイクの検査を通してるラインを見てみましょう。こんなに広くないですが、ノリはこんな感じです。
まず上に電光掲示板があります。ここに「ギアをNに」「ライトを上向きに」「前ブレーキをかける」といった指示が表示されますので、ライン上ではこれに従ってバイクを操作します。
ローラーはタイヤを乗せてブレーキやスピードメータの検査を行うためのものです。
ブレーキ検査は回転するローラーを、電光掲示板に従いブレーキをかけて止めます。
スピードメーター検査ではローラーが回って40km/hになったところを計測します。フットスイッチを踏むと回転が始まりますので、電光掲示板の指示に従って40km/hを指したところでフットスイッチから足を離します。
光軸は予備テスターと同じようにやれば大丈夫です。ハイビームにしてじっと待てばOK。光軸がズレるような荷重をかけないように注意。
またこれらの前後どちらかで、年式によっては排ガス検査がありますので、プローブをサイレンサーに入れて測定します。
これらライン検査に合格したら、最後にラインの脇にある印刷機に紙を突っ込んでハンコを押してもらい、ラインの端にある小屋で試験官のハンコを貰って終了です。印刷機と小屋の場所を覚えておきましょう。
ラインへGO
では自分のバイクを検査ラインに通しましょう。
本当は撮影ができればよかったのですが、聞いてみたら「事前に許可が必要」とのこと。そりゃそうだわな。
注意点ですが、雨が降っている日は気をつけましょう。ライン上で滑ります。テスター屋でコケてウインカー割ったことあるでワシ。
というわけでラインの入り口で待っていると検査官がやってきます。初めての人はここで「初めてです」と言いましょう。
書類を渡すとフレームナンバーやエンジンナンバーを確認後、車両の検査に入ります。
検査官が「右ウインカー」「左ウインカー」「前ブレーキ」などと指示を出しますので、その通りに操作します。それが終わると目に見えるボルトを叩いて緩みのチェック。そして怪しいと思われた場合は寸法チェック、マフラーを交換している車両は音量測定されます。
ここを無事に通過すると、先ほど説明した機械測定のラインに通します。
初めてと宣言しておくと、試験官がラインを通す補助をしてくれるかもしれません。今回はなぜか言わなくても試験官がついてきてくれましたが…珍しい。
ここでスピードを前後のどちらで取ってるかを申告します。親切な試験官は前後を見て確認してくれたりしますが、せめて自分のバイクがどちらでスピードを取っているのか知っておきましょう。
あとは見学した通りにラインを通してハンコをもらって終了。
窓口に戻り書類を提出すると、新しい車検証とシールがもらえます。やったー。
…まあ首都圏だしゲタのスクーターあると走行距離もこんなもんだよね。
車検終わったー
ナンバープレートの車検シールを剥がして新しいものに張り替えて全行程は完了。指が汚れてるとクリアシールに指紋が付くから注意な。仮ナンバーを借りた人は元のナンバーに付け替えて、仮ナンバーは帰りがけに返却しましょう。
というわけでバイクの車検も自分でやってみると、カスタムをしてない限り割と簡単に通ってしまいます。
最初の方で「社会勉強」と言いましたが、車検制度というのはそういうものです。
ただ車検を通す以上は、通常の整備が普段からできていて、公道上で壊れたり事故を誘発しない程度に仕上がっていることが前提です。
ユーザ車検のエントリを書いていて言うのもなんですが「自分の腕とバイクに自信が無ければショップに頼め」という言葉で締めたいと思います。