というわけで2年に1回の恒例行事、車検でございます。
「車検は2年に1回、きちんとバイク屋に整備してもらういい機会だ」
という人も多くそれは正しいと思いますが、乗ってる時間より修理や整備をしてる時間のほうが圧倒的に長い珍車旧車クラスタに属していると、そういう発想はあまり出てこないものです。
まあバイクの車検はクルマと比較するとメチャクチャ簡単ですし、1日ほど有給休暇を取ればサクッと終わってしまうものですので、一度くらいはユーザー車検にチャレンジしてみてはいかがでしょう。
というわけで今回はユーザ車検が初めての人向けに、エントリを書いてみたいと思います。
※追記(2018/10/15)
本エントリを書いた2年後にまた車検を受けました。自賠責が安くなったり、システム改修で予約が取れやすくなったりしています。その他色々と情報を追加しましたので、本エントリを読んだ後にこちらも読んで頂けると助かります。

ユーザ車検とは?費用は?
車検をバイク屋に依頼するのではなく、ユーザーの手でバイクの点検整備を行い、自分で陸運局の検査を受けて、車検を通します。資格は必要ありません。
よく「ユーザー車検は安く済む」と言われますので、ちょっと計算してみましょう。
費用(2016年現在) | |
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自賠責保険 | 13,640円(24ヶ月) 14,010円(25ヶ月) |
重量税 | 3,800円(13年未満) 4,400円(18年未満) 5,000円(18年以上) |
用紙 | 20円 |
検査印紙 | 1,700円 |
予備テスターでの光軸調整 | 1,000円程度 |
—- | —- |
ザックリ合計 | 22,000円くらい |
なんとまあお安い。ちなみに昔は自賠責が2倍以上でした。これは今のリターンライダーが若いときにやったクズ行為のせいで、三ない運動といったキングオブウンコな社会を押しつけられた我々の世代が、コツコツと公道を真面目に走った成果です。
まあぶっちゃけ、またあの暗黒時代に戻ろうとしてるけどなバイク界隈はw
さて「250cc以上は車検があるからちょっと…」という話がよく出ますが、〜250ccの自賠責保険は24ヶ月で14,290円ですから、トータルで見ると車検があろうがなかろうが2年単位で法的にかかる費用はそこまで変わりません。
重量税は初年度登録からの年数でスライドしますが、このブログを読んでる人はだいたいみんな重量税5,000円と思います。まあクルマと異なり18年以上モノのバイクは触媒も排ガス検査もなくやりたい放題というアドバンテージがありますので、素直に払っていいんじゃないでしょうか。
バイク屋での車検との費用差は?
さて、車検をバイク屋にお任せするとどれくらいか。
馴染みのショップでは通称「通すだけ車検」(簡単な点検整備だけで車検を通す)をやってて、これが5万円ちょいとのこと。差し引き3万円が工賃的なものになります。
この3万円が高いか安いか。「点検整備+半日潰してバイクを運んでラインに通す」という手間や拘束時間を考えると、全然高くないでしょう。社会人生活をやっていて金勘定ができる人がユーザ車検をやってみると「(ボッタクリでない)バイク屋の車検費用は妥当もしくはむしろ安い」と思うはずです。
だって、自分だって友達から程度がいいドノーマルのバイクを渡されて「車検通して」と頼まれたら、工賃として最低でも3万円は取りますよw
■ユーザー車検のメリット
でもやっぱり3万円ってデカいですよね。学生にとっては特にそうでしょう。
しかし個人的には、学生だろうが社会人だろうが
社会勉強になる
のも大きなメリットではないかと思っています。
普段なにげなく業者に作業を投げてるとブラックボックスにしか見えない車検ですが、自分で車検を通すことで法律や制度とそのアップデート、税金や保険など、クルマやバイクに関わる様々な社会の仕組みや繋がりを学ぶことができます。
あと「車検って結構ザルだな」とか。
ユーザー車検の準備
・車検の有効期間の確認
まずは車検証の確認です。「有効期間の満了する日」をチェックしてください。その日までに車検を通さなければなりません。過ぎてしまうと、後述の仮ナンバーを取得する手間と費用が発生します。
なお車検はこの「有効期間の満了する日」の1ヶ月前から受けることができますので、できれば早めに受けたいものです。
・車検の予約
ユーザー車検職人の夜は遅い。
まず最初にやるべきことがこの予約です。
車検を受けるには、陸運支局(正確に言うと登録事務所)の予約を入れる必要があります。昔は電話予約でしたが今ではインターネットで行うことになります。
車検を通す陸運支局は、継続車検であればナンバーにかかわらずどこでもOK。極端な話、鹿児島ナンバーが札幌で車検を通しても問題ありません。ただしハンドル変更などで寸法が変更になり構造変更が伴う場合は、ナンバー所轄の支局になります。
予約は以下のサイトで、15日前から可能です(2016年現在)。
が。
四輪では昔から顕著だったようですが、最近は二輪でも一部の陸運支局でクソなバイク屋による空予約が横行しています。カレンダーを見ると以下の画像のように全部×印が付いていて予約できない。千葉近隣だと習志野、野田、千葉、足立は全滅です。空いてるのは品川くらい。
地理的にそういう陸運支局にしか行けない人は、カレンダーが更新される24時にアクセスして15日後の予約を入れるしかありません。運がよければ当日の朝にクソなバイク屋がキャンセルを入れて空きが出ることもありますが、期待しないほうがいいです。
予約方法ですが、Amazonで買い物ができれば普通にできるはずです。
アカウントを作成してログインしたら車検証を手元に準備し、車検を通したい陸運支局を選択して「継続検査」「二輪車」を選びます。こんな感じ。簡単な寸法変更程度でも継続検査で大丈夫です。どうせライン通してて寸法で疑義が出たら止められるから。
あとはフォームに従って入力していくだけです。最後に予約番号が表示されますが、登録したメアドにメールが送信されますので、携帯電話に転送しておくとよいでしょう。
というわけでこのクソなバイク屋により予約システムが崩壊しているわけですが、あまり大きな声で言えないけどシステム改修が入って2017年あたりに改善されるっぽいですよ。
予約が終わったら当日に向けて整備をしつつ、以下の準備を進めましょう。
・納税証明書の準備
毎年、市町村に軽自動車税を納めていると思います。2016年から理不尽な増税で年間6,000円となりましたが。
で、車検のときに軽自動車税を滞納してないかチェックされるのですが、それを証明するための「納税証明書」をこちらで準備しなければなりません。
平成27年度から自動車税の納付状況が国土交通省に通知されるシステムができ、この納税証明書も省略できるようになったのですが、残念ながらこちらは県管轄の自動車だけの話。2016年現在、市町村管轄のバイクと軽自動車は対象外です。将来に期待しながら忘れずに納税証明書を用意しましょう。
毎年コンビニなどで納付しているのであればハンコが押された受領書でOKですが、そんなもの普通は捨ててると思いますので、市町村役場の納税課に行って「自動車税の納税証明書」をもらってきましょう。無料です。
・自賠責保険の準備
車検は自賠責保険加入のチェックも兼ねていますので、加入しておきます。
別に車検当日に陸運支局のそばにある代書屋で契約してもいいのですが、バイク屋にパーツを頼むついでに契約してもいいでしょう。
自賠責保険の期間は、次の車検(2年後)まで契約がなければなりません(超重要)。車検有効期限内であれば大抵は24ヶ月契約でOKでしょうが、当日車検に通らなくて後日再受験するとき24ヶ月では足りなくなるケースが発生しますので、懸念がある人は25ヶ月で契約しましょう。
・予備試験場(テスター屋)の確認
陸運支局の近隣には予備試験場(通称:テスター屋)があります。
これは陸運支局のラインに通す前の調整、もしくはラインに通して指摘された不具合を直すために利用する民間のラインです。
バイクの場合、光軸調整で間違いなくお世話になりますので、事前に情報を確認するなり下見をするなりで確認しておきましょう。
・仮ナンバー
仮ナンバーとは車検が切れている場合や、ナンバープレートがない車両を移動させる際に使えるナンバープレートです。
というわけで車検を切らしちゃった人は市町村役場で借りる必要があります。必要なものは自賠責と印鑑と料金750円などなど。詳しくは自分が住んでいる市町村のWebで。
なお仮ナンバーが借りられるのは原則、車両運用の当日です。よって車検当日に役場に行って借りる必要があります。ゲタがない場合は徒歩とか電車とかバスで移動ですよー。
で、当日借りるものがなんで準備編に書かれるかというと、仮ナンバーが借りられる役場の支所が限定されているからです。当日、適当に近場の役場に行って「ここでは仮ナンバー出せません」と言われるとその日の予定が大きく狂うので、仮ナンバーを借りるのが初めての人は必ず事前に「どの支所で借りられるか」を調べておきましょう。
というわけで色々とお役所的な準備が出てきましたが、次回は車検に必要な整備関連についてのエントリを書きたいと思います。
