GPZ400R ヘッドを開けてバルブクリアランス調整とか

カワサキ車はよくオイルが漏れます。

オイルが漏れているということは、オイルが入っているという証拠。

オイルが漏れているということは、オイルポンプが回っている証拠。

カワサキ車においてオイルが漏れることは必然であり、自然の摂理であり、エンジンが健康である証なのです。

そろそろそんなことも言ってられなくなってきた。

画像だとオイルが漏れて土埃コーティングされたように見えますね。

反対側なんて漏れたオイルでシリンダー部がテカテカしてますよ。

GPZ400Rはヘッドのガスケットがヘボいのか、よく漏れる傾向があります。前に所有してたD4は1.5万kmおきに1回は交換してたんじゃないかと。

あとヘッドを見てるとなんか緑色の液体が見えますよ。矢印の場所から。クーラント漏れてるじゃん。というわけでここのOリングもダメやね。

ていうかGPZ400R、そもそもエンジンヘッドに水冷のパイピングが接続されてるの、頭が悪すぎです。プラグ関係を弄るときすごく邪魔。

そんなわけでいい加減、エンジンのヘッドを開けたいと思います。

今まではバイク屋に依頼してましたが、今回は自分でやってみます。初挑戦。

そしてヘッドを開けたついでに大抵の人はバルブクリアランスも調整すると思いますが、ここも自分でやってみます。

では作業開始です。

水冷の儀。

ウォーターラインを外すので、クーラントを抜きます。

カウルを外してウォーターポンプにある排出ボルトを緩めるとクーラントが出てきます。横方向に。勢いよく。ボルトを緩める前に十分気をつけましょう。「受け皿の方向間違ってません?」というツッコミはなしでお願いします。

 

クーラントが抜けきったらヘッドのパイプを抜きます。

念のためウエスで養生しましたが、パイプからも完全に抜けてました。

Oリングを取り外してみましたが、見事に硬化してますね。こりゃダメだ。

あとサービスマニュアルでは指定されてませんが、液体ガスケットが塗られています。

まあ気休め程度の効果はありそうなので、今回はOリングから上の部分に塗って組み付けたいと思います。

アッパーカウルを外し(完全に外す必要は無い)、イグニッションコイルをステーごと外し、やっとヘッドカバーが外せる状態になります。ふざけんなカワサキ。

さてヘッドカバー、ボルト6本で止められてますが、あまりトルクかかってないですね。抜いてあげます。

問題はヘッドカバーを外すとき。普通にやると外れません。ウンともスンとも言わない。

しかしよく見ると#1/#4のプラグの横。ヘッドカバーに意味不明な板が渡ってます。

あっなるほど。ここにカワサキ必殺の適当な棒を突っ込んで、てこの原理でヘッドカバーを外せばいいんですね。見事外れました。ていうかそういう重要なことはサービスマニュアルに書いておけよ。

ここでうっかり変なモノを隙間に突っ込んで傷を付けないように気をつけて下さい。

はいご開帳。思ったよりも綺麗というか普通でした。

ではバルブクリアランス調整です。シックネスゲージを使います。こんな感じ。

あと画像の左側。オイルパイプのボルトにゴムキャップがはめられてます。これ外れやすいので注意。エンジン内に落としたまま組み付けてエンジン始動すると悲惨なことになると思われます。4個揃わないときはよく探して。ヘッドカバーを組み付けるときも気をつけて下さい。

さてシックネスゲージ。この薄い金属板を隙間に入れてクリアランスが適正か調べるわけですが、よく「羊羹を切る感覚で」と言われます。でも実際にやってみるとこれ羊羹じゃないよな…普通に金属がこすれ合ってる感じだわ。

「調整して、確認のために1段厚いゲージを入れてみて、通ったらやり直し」という感じでひたすら16本。

GPZ400Rの場合、バルブクリアランスは

IN: 0.13〜0.18mm

EX: 0.18〜0.23mm

だそうです。いやお前らこんなブログで調べないでちゃんとサービスマニュアル入手しろよ。

というわけで今回は

 

IN: #1〜#4全部クリアランスほとんど無し→0.15mmに調整

EX: #3/#4が0.23mmだったのでそのまま。#1/#2が0.25mmだったので0.23mmに調整

 

という感じにしました。

INがクリアランス無しだったということは、圧縮漏れしてたってことですかね。エアクリーナーボックスが結構ガス臭かったのも割と納得できます。

調整が終わったらヘッドカバーの組み付けです。

互いの接合面をきれいにします。シリンダー側は一部の箇所に液体ガスケットの使用が指定されていますので、全体の脱脂と液体ガスケットの除去を行った上で、液体ガスケットを新たに塗ってあげます。

そしてヘッドカバー側の一部に液体ガスケットを塗ってゴムガスケットをくっつけて、ヘッドカバーを装着するのがサービスマニュアル流だそうです。それでも自重でゴムガスケット外れるからすげえやりづらいんですけど!カワサキめ!

で、逆手順で組み付けてあげます。ウォーターパイプのOリングも交換し、指定はされてないけど液体ガスケットを塗ってます。

で、最後にクーラントをキャップ側から入れて…

クーラントのエア抜きを兼ねてエンジン始動です。

生まれて初めてエンジンを開けた後ですから緊張します…が一発始動。かかってしまえばなんてことはない。

暖気が終わった後はこんな感じです。割といい手応え。ていうか始動性がすごく良い。「キュキュボン」で0.5秒くらい。

タンク外してるのとマイクが拾いやすいせいかガチャガチャうるさいですが、実際には前よりかなりマシになってます。

 

 

さて試走。

なんかほんの少し、トルクフルになったと思います。そして前回のキャブ同調と相まって、開けたらキチンとついてくるイイ感じの仕上がりになりました。

あとアイドリングが前より安定するようになりました。いやさすがに多少上下はするんですけど、この程度なら許容範囲です。

という感じで初挑戦でしたが、いざやってみると案外普通にできてしまいました。

自信が無い人はバイク屋に任せた方がいい作業ではありますが「中古車を買ってまだ一度もヘッドを開けてないという人は、やっぱ一度くらい開けておいたほうがいいよなあ」と再認識した次第です。

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