新ConoHaになってVPSではなくクラウドを名乗り始めたようですが、美雲このは様のおっぱいはクラウドのようにスケールできないんですよね。
さてConoHa関連はどうも「はじめてさん」が多いみたいので、前回のアカウント作成もでしたが丁寧に書こうかと思います。
アカウント作成はこちらですかね。

というわけで今回は「独自ドメインでメールアドレス作ろう」という、なんとも甘美な響きがあって皆が憧れる話をやってみようと思います。
え、さくらのメールボックスのほうが圧倒的に安いし高機能?
たしかにそうではあります。そして今回は掲題のの通り、新ConoHaのメールサーバの話なので空気を読んで頂きたいんですが、さくらのメールボックスはNSレコードのさくらへの移転が必要なのが意外な罠って感じです。はい。
さて前回アカウントを作成した新ConoHaですが、通常の仮想サーバに加えて「アプリケーションサーバ」が作成できるようになりました。
アプリケーションサーバ is 何。
VPSと何が違うの?
普通だと何かサーバを立てるときは、(1)インスタンス立てて(2)OSやらソフトやら色んなモノをインストールして設定して(3)完成したら毎日サーバ管理して…という作業が発生します。
そこでVPSなんかだと、たとえばブログサーバを作りたい人向けにWordpressテンプレートなどがあったりします。
まあ便利ではあってとりあえず(1)と(2)は省略できますが、何かと面倒な(3)は省略できませんし、当然UNIX/Linuxの知識も求められます。
そんなわけで
「サーバ管理なんかもやりたくないよ。サクッと機能だけ提供してくれればいいんだよ」
というものぐさな人の為に、本当に機能だけ提供するのが新ConoHaの「アプリケーションサーバ」と思って頂ければ。
「conoha メールサーバ」でググるじゃないですか。現時点だとPostfixの設定だのなんだのって出てくるじゃないですか。コレが面倒と思った人にはとても向いています。
ノリとしてはブログ界隈ですごく大雑把に言うと、自分で立てるWordpressサーバに対する、Livedoor Blogとかはてなブログみたいな感じです。
「え、サーバ立てる楽しみがないんじゃないのそれ?」
まあ気持ちは分かる。
しかし世の中には残念ながら「立てるのも面倒だし運用も面倒だし難しいし、しかも地味で楽しくない」と匙を投げたいジャンルが存在します。
その代表例が「メールサーバ」です。
昔の牧歌的な時代ならよかったんですが、今だと迷惑メール対策もメールサーバでやりたいことろですし、あれこれ機能が欲しいと贅沢を言うと作業的にキリがなくなってきます。
あと絶対にやってはいけないのがメール中継。設定をミスって外からのメールを外部に中継するような設定になってると、自分のサーバが迷惑メールをばらまく温床になるので気が抜けません。
そして世の中には迷惑メールをばらまくサーバのブラックリストというのがあり、これに自分のサーバがリストされてしまうと、ユーザが送信したメールが相手に届かなくなります。ブラックリストから削除してもらうのも面倒。
そんな中でもメールというもの自体が重要度を増してきていて、サーバを一度立ててしまうとなかなか落とせなくなります。そりゃいつ送信されてくるか分からない誰かからのメールが受け取れないのも困りますし、自分に届いたメールを確認できないのも困ります。
ありがちな例だと「ConoHaでWebサービス作ってヒト山当ててやるぜー」といって意気込んだ人が「メールサーバどうしよう」「ついでにインスタンス1つ立ててメールサーバ作るか…」「あれもしかしてユーザからのメールが受け取れてない?」「あーメールサーバの管理めんどくせー手間暇かかるし迂闊に落とせないし本業じゃないところで足と時間が引っ張られるわー」なんてところですかね。
という感じでメールサーバは立てるのも立てた後も非常に面倒なので、最近は企業や学校でも自分でサーバを持たずに外部のサービスにお願いするケースも多いです。需要があれば供給も増えるので、色んなところでそういうメールサービスがあったりします。
そんなわけで面倒なメールサーバの構築から管理まで全部清楚可愛い美雲このは様に丸投げお任せしましょう、というのがConoHaのアプリケーションサーバになります。
ではConoHaのアプリケーションサーバでメールサーバを立ててみましょう。
でも今回は自分でドメインを取ってメールアドレスを作りますので、メールサーバ作るより先にドメイン取得からですよ。
ドメインを取得する
メールサーバを立てる前に、まずはここから。
中二病丸出しとか、後から後悔しないようなドメインを取って下さいね(重要)。
あとメールサーバで使うドメインは長期間使いがちなので、2年目以降の価格も考慮したほうがいいと思います。
さてドメイン業者で有名なところだとお名前.comとかバリュードメインだったりするでしょうか。あっGMOグループばかりじゃないか(ステマじゃないよ)
取得自体は大して面倒でも難しくもないので説明は省略しますが、自信がなかったり不安だったりしたらGoogleで調べながら自己責任で作業すること。お兄さんとの約束だよ。
あとドメインを初めて取得するという人は必ずググって調べてほしいのですが、ドメインを登録すると「基本的には」取得者の名前や住所などの個人情報を全世界に公開することになっています。「Whois」ってやつです。
そこで「個人情報を公開するのはちょっと」という人のために大抵の業者は「Whois代行」という形でこの個人情報を、業者の名義に変更・代行してくれるくれるサービスがあります。
ただ逆に一部ドメインや一部業者で「Whois代行」が不可能な場合がありますので、個人情報が出ると困るという人はよく調べてから取得して下さい。
あと.jpドメインは住所とか電話番号は代行できるけど本名だけは代行できないので注意ですかね。
さて今回ですが、つい酔っ払った勢いでうっかりお名前.comで取得してしまって腐らせてる
mirai-no-shuto.nagoya
を使いたいと思います。東京は変な病気がはやっとるし、大阪は食い倒れとるからね。
お名前.comもConoHaと同じGMOグループだけど、今回は偶然です。ステマじゃないよ。
いいですか、ドメインは酔っ払った勢いでうっかり取ってしまうこともあるので要注意ですよ(今回一番重要な話)
メールサーバを立てる
今回は
なんとか[アットマーク]mirai-no-shuto.nagoya
というメールアドレスを作って送受信するのを目標とします。
なお、すでにインスタンスとDNSレコードは削除してまして、メールボムだとか無意味ですのでよろしくお願いします。
以下、新ConoHaのコンパネで作業します。
実は筆者も新ConoHaで立てるの初めてではありますが…
とりあえずログインします。
サーバ追加で以下のように選択します。
■ プラン
- タイプ: アプリケーションサーバ
- リージョン: お値段次第でお好きなところを(今回は東京)
- サービス: メール
■ conoha.ioドメイン
- ドメイン名: 任意の文字列
ちょっとややこししいですが、ConoHaのメールサーバを作ると[任意の文字列].conoha.ioというドメインがもらえます。というか作るのが必須です。
これでメールアドレスを作ると
hogehoge@[任意の文字列].conoha.io
というのが作れたりしますが、今回は独自ドメインで作りますので特に使う予定は無いです。ただ実際に使えるものになるので、あまり変なの付けない方がいいですね。
さらに下にスクロールさせて「3. オプション」の設定を確認します。今回は全部デフォルトのままとします。
■ オプション
・自動バックアップ: 無効
・ディスク容量: 10GB
・ネームタグ: [任意の文字列]
終わったら「追加」をクリック。これでメールサーバが作成されます(課金の始まり)。
ConoHa側のサーバ情報を確認する
さてここから新ConoHaコンパネとドメイン業者のコンパネを行ったり来たりするので、頑張って付いてきてください。
なおドメイン業者は今回はお名前.comですが、よその業者のコンパネでもやることは同じですので適宜読み替えて下さい。
左側の「サーバ」をクリックしてサーバリストを表示させ、先ほど作成したメールサーバの「ネームタグ」をクリックします。
ここがちょっと分かりにくいですが、ネームタグの下に小さく表示されている「サーバ情報」をクリックしますとここが広がって…
以下のサーバ情報が表示されます。
この中で使うのは以下の2つです。
この後、ドメイン業者のコントロールパネルにコピペで登録します。
- MXレコード: 「このドメイン宛てのメールはこのサーバに送ってね」という情報をDNSサーバに登録するもの
- SPFレコード: 詐称防止のため「このドメインのメールを送っていいのはこのサーバだよ」という情報をDNSサーバに登録するもの
こんな感じの認識でOKです。
ドメイン業者にMXレコードとSPFレコードを登録する
ドメイン業者のコントロールパネルにログインして、先ほど表示されたMXレコードとSPFレコードを登録します。
以下はお名前.comでの例ですが、どこの業者もだいたい似たようなノリです。
「ドメイン一覧」にある該当ドメインの一番右側の「ネームサーバ」にある「変更する」ボタンをクリックします。
右側の「ネームサーバの設定」の「DNS関連機能の設定」をクリックします。
「内部ドメイン一覧」にある、今回登録対象のドメインにチェックを入れ「次へ進む」をクリックします。お名前のコンパネ分かりにくい!
「DNSレコード設定を利用する」をクリックします。分かりにくい!
さてレコードを追加します。
まずはMXレコードから。
先ほどのConoHaのコンパネで表示された「MXレコード」の文字列をコピーし、以下のように設定します。
- TYPE: 「MX」を選択
- VALUE: コピーしたConoHaの「MXレコード」をペースト
- 優先度: メールサーバが複数台あるときの優先度ですが、今回は1台しかいないので「10」でいいでしょう
終わったら「追加」ボタンを押します。
次に「SPFレコード」です。ConoHaのコンパネの「SPFレコード」の文字列をコピーし、先ほどと同じように設定して追加ボタンを押します。
- TYPE: 「TXT」を選択
- VALUE: コピーしたConoHaの「SPFレコード」をペースト
追加したら設定内容を確認して、下の方にある確認ボタンをクリックして登録して下さい。
登録してしばらく待って、名前解決ができるか確認します。
名前解決の確認はMac/UNIX系ならdigコマンドでこんな感じ。
(Windowsだとnslookupですが使い方は各自で調べて下さい)
digだと「ANSWER SECTION」に先ほど設定した値が出てくればOKです。
$ dig mirai-no-shuto.nagoya mx
$ dig mirai-no-shuto.nagoya txt
しかし登録してからすぐに上記のコマンドを叩いても、ANSWER SECTIONが表示されないことがあります。
こんなとき、絶対に
「DNSが浸透しない」
と言ってはなりません。何故かというと…
釘バットを持ったオッサンが殴りかかってきます。都市伝説ではありません。これは本当です。
私もこれまで、釘バットの餌食となっインフラエンジニアをたくさん見てきております。これだけは絶対に気をつけて下さい。
この時点ではまだ「なぜ浸透と言ってはならないか」は知らなくてもいいですが、頭には入れておいて下さい。これ読んでConoHaのメールサーバで送受信ができた後で必ず勉強してください。
ConoHa側の設定
はいまたConoHaのコンパネに戻ります。付いてきてますかー?
先ほどの「サーバ」の「ドメインリスト」のところに、水色の「追加」ボタンがあるのでクリックしますと、以下のようにドメインを入力するボックスが出てきますので、ドメインを入力して保存します。
固定IPアドレスは有料なんで、今回は「無効」にしておきます。
メールアドレスの登録です。
下の方に「メールアドレスリスト」というのがありますので、水色の「追加」ボタンを押して、プルダウンで独自ドメインのほうを選択してメールアドレスの@の前を入力し、保存します。
メールアドレスを登録したら、そのアドレスの設定を確認します。
一番下の「メールアドレスリスト」を開いて、独自ドメインをクリックして、メアドをクリックして…とやっていくと、転送やら迷惑メール関連の設定が出てきます。
転送設定は分かりにくいですね。「鉛筆」マークをクリックして「+」マークをクリックすると転送先の設定が出来ます。
そして最後に一番重要な情報が、一番下に書いてある!
これがないとクライアントの設定ができませんのでメモするなりしておきましょう。
これで、サーバ側の設定は終了です。
ブログにすると縦に長いけど、作業的には30分あればできちゃうんじゃないでしょうか。
クライアントの設定
これを説明すると本当にキリが無いので省略します。
さっきメモしたSMTPとPOPとIMAPのアドレスをクライアントに設定してあげましょう。
というわけで新ConoHaのアプリケーションサーバで手早くメールサーバを立ててみました。
WebUIの操作がアイコン頼りで分かりにくくて一瞬つまるところはありますが、機能が少ない分だけやることも少ないので楽、という感じです。
ただ逆に言うとメール送受信以外の機能が「迷惑メールフィルタ」「メール転送」くらいなもので、メーリングリスト機能が欲しいとか、Webメールが欲しいとか要望があると新ConoHaが候補から外れてしまいます。
今後、機能がどう増えていくかは、要望というよりConoHaの客層次第ですかねえ…インスタンスのついでに立てるものだし。
個人的には「Webメールはいらないけどメーリングリストは欲しい」かなと思います。